Sports Analyst Meetup #8に参加しました
「Sports Analyst Meetup #8」に参加したので(オンライン)、まとめました。
間違っている箇所がある場合、指摘いただけると助かります。
どんなイベント?
スポーツアナリストおよびスポーツデータ分析に興味のある方に向けたイベントです。
本イベントはスポーツのジャンルを問わずスポーツアナリスト(を目指す人)にとって有益な.情報共有の場になることを目的としています。
今回は10名LTから構成されていました。
Zoomスポンサー枠
LT
サッカーがポーカーから学べるかもしれないNのこと
- ポーカーとサッカーの共通すること、それから学べるかもしれないことについて
- 対象とするポーカー:テキサスホールデム
- 意思決定
- 両者に不確実性がある
- サッカー:ボールを足で扱う、選手の振る舞いが不明
- ポーカー:不完全情報ゲーム
- 両者に不確実性がある
- 数学
- 期待値計算
- 共有カード
- ウェットやドライなボード
- 思考の自動化
- 情報戦
- 位置的優位性→情報を引き出す
- データ
感想
- 一見遠いと思える2つの領域で共通点を見出し、有効活用できる所に面白味を感じました。
- スポーツだけでなく、ほかの分野にも使えそうな発想だと思いました。
スポーツアナリティクスのオリジナリティを考える
- スポーツアナリティクスの独自性について
- 定義
- 当事者にとって科学(サイエンス)であること
- スポーツのパフォーマンス課題の構造化
- 要素:ゲーム構造、パフォーマンス結果・遂行・前提・リスク
- 当事者が求めているもの:科学的専門性からアドバイスがほしい
- スポーツのパフォーマンス課題の構造化
- アナリストにとって芸術(アート)であること
- 課題:する人と見る人である
- 背景:
- 楽しみたい→1人1人正解が違う→芸術(アート)
- 結果を出したい→共通した正解がある→科学(サイエンス):こちらに注目される事が多い
- 当事者にとって科学(サイエンス)であること
- スポーツアナリティクスは芸術と科学の要素を持つ
- 定義
感想
- サイエンスとは別の要素として、アートという表現が面白く言葉のニュアンスとしても非常にしっくりきました。
スポーツアナリストの現状と展望~現場で近いうちに必要になるであろうスキル~
- スポーツアナリストの現状
- 展望
- 営業マンはデータサイエンティストになれるのか→否
- スポーツアナリスト:メンターがいない、コーチへの「ステップ」的立ち位置
- これから
- スポーツアナリスト:現状維持
- データサイエンティスト:外から
- 近いうちに必要なもの(今やるべきこと)
- やがて来るデータサイエンティストに備えて、データを溜める基盤を作る
- アナリスト:ハブになっていく(ジェネラリストへ)
感想
- スポーツだけでなく、他の業界領域でも総合格闘技的な仕事になるのはあるあるだなと思いました。
集団スポーツの軌道予測
www.slideshare.net
- サッカーとバスケの選手軌道予測について
感想
- 予測誤差以外の指標を含める時に、どういう基準で採用するのかに興味があります。
- また弱教師情報を利用した手法にも興味があるので、調べてみたいと思いました。
Bリーグにおける勝敗とアリーナ集客分析
- スポーツビジネスで勝敗と集客の関連性があるのか?
- 仮説
- 勝てるチームの方が集客も出来る?
- 負けても集客できるチームがあれば集客の参考になる
- 分析結果
- 傾向:勝ち数が多い方が平均集客数も多い(但し大きな相関はない)
- 個々のチーム
- アルバルク東京(勝ち数多く集客少ない):最大収容人数も多くはないが、平均集客率90%→課題あり(立地も)
- 三遠ネオフェニックス(勝ち数少なく集客多い):スター選手によって集客が伸びている可能性がある
- まとめ
- 勝敗に依存しない集客は可能
- 立地やスター選手の獲得により影響がありそう
- 仮説
感想
- 室内競技であるバスケットボールでは当日の天気は集客に興味があるのか気になりました。
予想外に変化する投球の軌道は打者に学習されやすい?~Predictive Codingと予測誤差を添えて~
- 脳科学の枠組みで野球の投球を考える
- Predictive coding:入力の予測を行い予測誤差を最小化するよう学習する
- 野球において予測誤差があるシーン
- バッティングでの投球軌道の予測
- 誤差が大きい→失敗(空振り、凡退)
- 特異球(予測誤差の大きい)を定義
- 抑え投手が多い
- 仮定:特異球を武器にする先発投手は予測誤差が学習され徐々に打たれるのではないか?
- 特異球(予測誤差の大きい)を定義
- 誤差が大きい→失敗(空振り、凡退)
- バッティングでの投球軌道の予測
- 分析結果
- 1~3回:特異球投手が良いパフォーマンス
- 4~6回:非特異球投手が良いパフォーマンス
感想
- Predictive Codingについて初めて聞きましたが、他領域にも活用できそうで概要を調べてみたいと思いました。
無観客試合におけるホームアドバンテージ
- 無観客試合の結果を利用して、ホームアドバンテージの原因を考察
- ホームアドバンテージ:ある(Jリーグはマイルド)
- 想定される原因→無観客試合の結果がCrowd effectの証拠となるのではないか?
- Crowd effect(観客):最も明確かつ、ファンが支配的だと信じている
- 移動、環境への慣れ等
- 分析
- 対比較法
- 無観客と観客有りでホームアドバンテージに有意差があった(スペイン、ドイツが大きい)
- 他の要因(中断)が影響しているかもしれないので、調査対象を広げたい
感想
- 無観客試合によりホームアドバンテージに差があり、更にリーグごとに違う事が興味深かったです。
- リーグ毎に国が異なり、国土や移動距離も違うのが影響している可能性があるのかなと思いました。
アスリートのレーティングについて
- 個人スポーツ、団体スポーツにおけるアスリートのパフォーマンスのレーティングについて
- 活躍度の可視化
- 要素
- どの舞台で
- どの相手に
- どんな勝ち方
- 計算
- イロ・レーティングを用いた期待勝率計算
- チームスポーツ:個人とチームのものを組み合わせて計算
- 要素
- 活躍度の可視化
感想
- チームスポーツにおいて、レーティングにしやすいスポーツ、しにくいスポーツにはどういう要素があるのか気になりました。
サーブ制球力の定量的評価
- 定義:サーブのコントロールが良いor悪いとはどういうことなのか?
ライン際に集められているか否か→本当か?- ライン際に集める事はポイント獲得で重要なのか?→よりサーバー側が有利になる場所に集められているか?
- どこに集めると良いのか→機械学習を導入
感想
回転不足判定選手権をやってみた!
- 競技者(大学生)が回転不足判定を行った選手権について
- 回転不足について
- 点数:基礎点+出来栄え点
- 軽度回転不足、重度回転不足により点数が下がる→2点の中に4人入る等細かい差が勝敗にも大きく影響する
- 競技者が判定できているのか?→回転不足判定の選手権を実施
- 平均正解率:60.71
- 個人で視聴回数の違いで正解率に増減がみられる
- アンケートから競技者でも判定するのは難しい
- 選手の判定は実際の判定より甘め
- 回転不足について
感想
- 定量的に判別しづらいものは実際に競技をしている人でも判定が難しいのだなと思いました。野球のストライク・ボールの判定についても近い内容かもしれないと考えています。
最後に
- 様々な面白い話が聞けました、主催の皆様ありがとうございました。